ミニ開発もそろそろ変わろう!

 

毎日、新型コロナウィルス感染拡大を伝えるニュースから目が離せない中、特に都内では感染爆発とか、医療崩壊とか恐ろしい言葉が飛び交い、本当に心配です。もし私がマスクを沢山持っていたら、今すぐ届けてあげたい人が沢山います。どうかワクチンができるまで感染から逃れてほしいと思います。

 

ご多聞に漏れず建築業界にも私にも影響が出てきているようで私も仕事がやや停滞気味です。

以下は唐突ですが、たまたま目にする機会があったので、地主が手放した土地を細分化して

転売するミニ開発について思うところを書いてみます。

 

全国各地で行われている「開発のがれ」「ミニ開発」が日本の街を醜くしている。それは間違いない事実です。それを批判する人は私も含めて沢山いますが、ではそれを防ぐために自分に何ができるだろう?そのために努力してきただろうか?と反省しきりです。

 

<開発行為とは、建物の建築等を目的とした「土地の区画形質の変更」をいい、

一定の面積を超えると公共施設や排水設備を設置する等、無秩序な市街化を防止し、

良好な宅地水準を確保するために都市計画法に基づいた制限がかかり、開発行為には

許可が必要になります。それを逃れるのが「開発のがれ」という脱法行為です。>

 

地主の相続税対策等で土地を手放したり、経済的にやむを得ない事情があるのは分かりますが、街と建物の関係が考慮されないミニ開発はどう考えてもよくない。景観や近隣への配慮なんかはゼロに近く、少なくとも近隣住民は迷惑に感じても喜ぶことはまずない。喜ぶのは地主と関係業者だけです。

これだけでは人口減少の時代に数十年後の空き家を増やすだけではないのか?そこまでして住宅を大量生産してきた時代の生産体制を維持する必要があるのか?一体誰のために?などと思うわけです。

 

しかし、止められないながらも、もしもこのミニ開発を充実したものにできたら、「街」や「暮らし」という視点から、近隣住人の要望を反映したりしながら、建築家が全体をコーディネートできたら、多くの場所で住みやすくて景観も良い街ができるはずです。高級建築でなくても建築家にできることは沢山あるはずです。

都会の方では既に行われているケースも見られますが私が活動する地域では、まだまだ旧態依然、相変わらずのようです。

 

若い頃は入り口で拒絶反応を起こしていたこのミニ開発ですが、「清濁併吞」という言葉に習って、現状をまずは受け入れることも必要なのかも知れない。もっと、既存の経済や流通システムを受け入れ、その上で空き家や土地の利用の仕方、建築と社会の関係を提案できるようにならなくちゃ!という気持ちが強くなってきました。そのためには、地主、金融機関、不動産業者、建築家、施工者が一体となって取り組む必要があるし、なんなら自ら不動産業に参入して音頭を取りたいとも思うこの頃です。

 

 

同じように考える人たちも沢山いるはずで、そんな人たちといつかどこかで繋がりたいと思っています。

 

#ミニ開発 #開発逃れ